あなたの体は、あなたのもの
あなたの体はどこも大切な場所
最近、プライベートパーツという言葉を、よく見聞きするようになってきました。
プライベートパーツとは、胸、お尻、性器、口の4か所を指すと、紹介されているものが多くみられます。
この4か所は、見るのも触るのも自分だけ、あなただけの大切な場所です。
とても大切なところなので、みんなの前では、見せたり、触ったりしません。
家族でも、お友達でも、先生でも、じろじろ見たり、勝手に触ったりしません。
そして、この4か所のプライベートパーツは、だれにとっても大切な場所。
他の人のプライベートパーツを、勝手に触ったり、見ることはしません。
でも、はたして、胸、お尻、性器、口の4か所だけが大切な場所なのでしょうか?
それは、きっと違います。
あなたの体は、どこも大切な場所。
大切なのは、胸、お尻、性器、口の4か所の『パーツ』(一部分)だけではなく、
あなたの体はどこもプライベートな『ゾーン』(領域)で、大切な場所なのです。
ひとり、ひとり、プライベートパーツの意識は異なります。
ひとり、ひとりの、プライベートゾーンは、それぞれ大切な場所。
他の人のプライベートゾーンを、勝手に触ったり、見ることはしません。
あなたが、『他の人には見せたくない、勝手に触られたくない、自分だけの大切な場所』と感じているのは、どこですか?
性被害の加害者にも被害者にもならないためにも、この機会に、ぜひ、考えてみてください。
(保護者の方は、ぜひお子様と考えてみてください。)
「家庭でできる性教育サイト命育」が作成されている『プライベートゾーンぬりえ』は、男の子も胸の部分を隠すようなラッシュガードを身に着けているイラストが掲載されており、お勧めの性教育教材です。
ぜひ、ご活用ください(「家庭でできる性教育サイト命育」様より、掲載許可をいただいております)。
【プライベートゾーンに関するお勧めの本】
著者が自分のお子さんに語りかけているような温かい絵本です。
子どもたちを性被害の『被害者』にも『加害者』にも、させないために・・・という願いが強く感じられる絵本です。
『何気なく触る人がいるけど、わたしは、頭を勝手に触られたくない。』
『 どうして男の子は胸を隠さない時があるの?』
『どうしてプールでは水着を着るのに、温泉では裸なの?』等々・・・。
自分のプライベートゾーンについて考えることを通して、『他の人は、自分の体のどのようなところを、大切に思っているのだろうか…』ということについても考えを巡らせ、相手のことを大切にすることができたらいいなと思います。
『はてな?タッチ』(Question Touches)
『いいタッチ』(Okay Touches)や『ダメなタッチ』(Not Okay Touches)ということばを聞いたことがありますか?
『いいタッチ』は、自分が気持ちいいと感じたり、同意を得られたタッチです。
『ダメなタッチ』は、自分が嫌だなと感じたり、同意を得られていないタッチです。
では、どちらにもハッキリ当てはまらないタッチは?
例えば・・・
- 嫌でも気持ち良くもないけど、なんか変?
- 不必要なタッチや接近
等々・・・
判断力が問われるのは、『いいタッチ』や『ダメなタッチ』かよくわからない、『はてな?タッチ』(Question Touches)なのだといえます。
お子様へのセクシャルエデュケーションを実施するうえで、この『はてな?タッチ』についてよく話し合い、判断力を養うことが、とても重要なポイントになるのではないかと思います。
SOSを伝えるトレーニング
もし、あなたの身体のどこかを見られたり触られたりして、少しでも嫌な気持ちになったら、「やめて!」「いや!」「ダメ!」と伝えましょう。
それは、あなたの権利です。
いやなタッチをされた場で、
S(すぐに)
O(大きな声で)
S(さけぶ)
日ごろから、これをいえるようにトレーニングすることが、とても大切です。
◆嫌な相手に向けて
『いや!!』と伝えていいし、その場からすぐに逃げましょう。
あなたの『いや!』という気持ちを言葉や行動で示しましょう。
相手に同意していないことを示すとともに、他の人に対して助けを求めましょう。
◆他の人に向けて(助けを求める)
『助けて』でも、『おまわりさん!』でも、『ワー!!!』を大きな声を出してもよいのです。
他の人に助けを求めましょう。
そして、とても大切なことは・・・・
そもそも、まず
2人きりにならない
ということもとても大切です。
危険な空間に入らないように、していきましょう。
あなたが嫌な思いをしたときには・・・
あなたが嫌な思いをしたことを、信頼できる誰かに話しましょう。
あなたは決して悪くない。
触ったり、あなたが嫌なことをする、その行為自体が悪いことなのです。
どこで、だれに、どんなことをされそうになったのか。
すぐに話せなくても大丈夫
でも絶対に秘密にしないで、勇気を出して!
心の準備ができたら、誰かに伝えてください
信頼できる誰かってだれ???
「信頼できる大人」「安心できる大人」「安全なおとな」とは、いったいどんな人なのでしょう?
- 同意(いいよ!)なしには、からだにさわらない、連れて行かない人
- 私がいやだ!と感じるところまでは近づかない人(境界:boundary)を超えて侵入しない人
- 他の人がいない場所で、二人きりになろうとしない人
ぜひ、子どもたちと話し合ってみてください。
そして、どの人が「信頼できる誰か」なのか、少なくとも3人、できれば5人は想定できるようにしましょう。
「信頼できる大人」だと思っていても、非常に残念なことに、加害者である場合もあります。
泣き寝入りをしないためにも、少なくとも3人、できれば5人、「信頼できる誰か」を想定できることがとても重要なのです。
話した人が信じてくれなかったら?
悲しいかな、話した人が信じてくれないこともあるのです。
セクシャルエデュケーションの本の【あとがき】を書かれていた方が、そのような体験について語られていて、思わず涙した記憶があります。
でも、あなたの話を信じてくれる人は必ずいます!
助けてくれる大人はかならずいます!
はじめて話した人が信じてくれなかったらととも辛く、悲しいことだと思うけど、
あなたの話を信じてくれる大人に出会うまで、『信頼できる誰か』に、伝え続けましょう!!
いやな思いをした体験を話してもらったとき・・・
まずは
よく話してくれた!
勇気のある人だね!
あなたは決して悪くない!
と、話してくれた勇気をねぎらい、あくまでも悪いのは加害者であることを伝えてあげてください。
秘密の保持や、一度にすべてを聞き出すことは難しいということに配慮することも、大切です。